1. ファサードパターンとは
ファサードパターンは、サブシステム内の一連のインターフェースへの統一されたアクセスインターフェースを提供する構造設計パターンです。これにより、サブシステムの複雑さを隠蔽し、外部に簡略化されたインターフェースを提供します。
2. ファサードパターンの特性と利点
ファサードパターンは以下の特性と利点を持っています:
- サブシステムを使用しやすくする簡略化されたインターフェースを提供します。
- クライアントとサブシステム間の結合を減らします。クライアントはサブシステムの具体的な実装の詳細を理解する必要なく、ファサードクラスとだけやり取りすれば良いです。
- オープン・クローズド原則に準拠し、サブシステム内の機能の追加や修正が便利となります。
3. ファサードパターンの実践的な応用例
ファサードパターンは、次のような開発において幅広い実践的な応用があります:
- 複雑なサードパーティ製ライブラリやAPIへの簡略化されたインターフェースを提供すること。
- 複雑なロジック操作の一連をカプセル化し、クライアントの呼び出しプロセスを簡略化すること。
- 既存システムが他のシステムと統合するための簡易なインターフェースを提供すること。
4. Golangにおけるファサードパターンの実装
4.1. UMLクラス図
4.2. 例の導入
この例では、注文管理、在庫管理、支払いシステムを含む電子商取引プラットフォームがあると仮定します。注文管理システムは注文の作成や照会などの機能を担当し、在庫管理システムは製品在庫の照会や減少を担当し、支払いシステムは注文支払いの処理を担当します。クライアントとサブシステムのやり取りを簡素化するために、ファサードパターンを使用してこれらのサブシステムのインタフェースを設計できます。
4.3. 実装手順1: ファサードクラスを定義
type Facade struct {
subsystemA *SubsystemA
subsystemB *SubsystemB
subsystemC *SubsystemC
}
func NewFacade() *Facade {
return &Facade{
subsystemA: NewSubsystemA(),
subsystemB: NewSubsystemB(),
subsystemC: NewSubsystemC(),
}
}
func (f *Facade) Operation() {
f.subsystemA.OperationA()
f.subsystemB.OperationB()
f.subsystemC.OperationC()
}
4.4. 実装手順2: サブシステムクラスを定義
type SubsystemA struct {}
func NewSubsystemA() *SubsystemA {
return &SubsystemA{}
}
func (s *SubsystemA) OperationA() {
// サブシステムAの操作ロジック
}
type SubsystemB struct {}
func NewSubsystemB() *SubsystemB {
return &SubsystemB{}
}
func (s *SubsystemB) OperationB() {
// サブシステムBの操作ロジック
}
type SubsystemC struct {}
func NewSubsystemC() *SubsystemC {
return &SubsystemC{}
}
func (s *SubsystemC) OperationC() {
// サブシステムCの操作ロジック
}
4.5. 実装手順3: ファサードパターンを使用したクライアントコードを実装
func main() {
facade := NewFacade()
facade.Operation()
}